ブライセン グローバルニュース8月号③|開発ノウハウ、「人」だけに残っていませんか?――仕様を「共通言語」に変える、これからのグローバル開発
1.「誰ができるか」の次は、「どうやっているか」を残す― スキルの可視化から考える開発ノウハウ
POSTEが2026年8月19日に報じた記事によると、ベトナムでは実務経験を通じて技能を身につけながらも、その能力が体系的に認定・可視化されていない人材が多く存在しています。こうした背景から、個人が持つ技能や経験を可視化する「スキルパスポート」の導入が議論されています。この「個人が持つ技能を可視化する」という考え方は、システム開発におけるノウハウの属人化を考えるうえでも、一つの示唆を与えてくれます。企業にとっても、「誰が何をできるのか」を把握することは、人材を活かすうえで大切です。
しかし、システム開発では、それだけでは十分ではありません。
「この仕様になった理由は担当者しか知らない」
「過去の改修経緯がドキュメントに残っていない」
「担当者が変わるたびに仕様を確認し直している」
このような状態では、優秀な人材がいても、知識が個人に蓄積され、チームとして十分に活用できない可能性があります。
そこで必要になるのが、「誰ができるか」だけでなく、「どのような仕様・判断基準で開発しているか」を残すことです。
■人のノウハウを「仕様」という共通言語へ
ブライセンが開発プロセスで重視しているのが、SDD(仕様駆動開発)の考え方です。
担当者の頭の中や口頭説明だけに残っていた要件・判断基準を「仕様」として整理し、日本側・海外側の開発メンバーが共通認識を持てる状態をつくります。 さらに、その仕様を起点としてAIを設計・開発工程へ活用することで、人・AI・国内外の開発チームが同じ仕様をもとに開発を進められる環境の構築を進めています。
単に開発人員を増やすのではなく、「仕様を残す」「AIで活かす」「国内外で共有する」。この3つを組み合わせることが、ブライセンの開発アプローチの特徴です。
■出典:
・ベトナム労働者の7割超が「技能未可視化」、スキルパスポート導入論が浮上 – POSTEニュース(2026年8月19日)
2.技術を「渡す」だけで、品質まで共有できるのか?―技術移転から考えるグローバル開発
スキルやノウハウを見える形にした次に必要なのが、それを異なる人・組織へ正確に共有することです。POSTEが2026年7月22日に報じた記事では、ベトナムの自動車産業をめぐる技術移転制度について、制度上の課題整理や今後のあり方が検討されています。
技術移転では、技術そのものを渡すだけでなく、背景にある判断基準や品質に対する考え方まで、どのように共有・定着させるかが課題になります。
これは、日本と海外拠点が一つのチームとしてシステムを開発する際にも共通します。
オフショア開発でよく聞かれる、
「仕様が正しく伝わるのか」
「日本側が期待する品質を共有できるのか」
「担当者が変わっても開発を継続できるのか」
という不安は、単純に海外側の技術力だけの問題ではありません。
日本側と海外側の間に、共通の仕様・判断基準・開発ルールを持てるかどうかがポイントになります。
■「日本で考え、海外で作る」だけではない開発体制へ
ブライセンでは、ベトナム(フエ)をはじめ、ミャンマー、カンボジア、韓国などの海外拠点を活用したグローバル開発体制を構築しています。日本側と海外側が連携し、要件整理・設計・開発から保守・運用まで継続して対応することで、「作って納品して終わり」ではなく、運用後の改善まで見据えた開発を進めています。
その土台となるのが、先ほどご紹介したSDDによる仕様の共有です。
仕様を共通言語として国内外のチームで共有し、そこへAI駆動開発を組み合わせることで、日本側・海外側・AIが同じ仕様を軸に連携し、共通認識を持ちながら継続的に開発できる体制を目指しています。
「仕様が担当者に依存している」「既存システムの仕様が十分に残っていない」「海外開発を活用したいが品質面に不安がある」といった課題がございましたら、現状の開発プロセスや仕様管理の整理からご相談いただけます。
■出典:
・自動車産業への影響を検証、ベトナム政府が技術移転制度の課題整理を加速 – POSTEニュース(2026年7月22日)
